
いつもの現場から
日々、私たちが目にしている現場。そこには新しい技術と古い伝統が共存し、一緒に仕事を進めています。特に私が目を奪われるのは、その一角に普段は静かに佇む活版印刷機。ここからは、その活版印刷機についての話をしようと思います。
まず始めに、目に飛び込んでくるのは、活版印刷機の重厚な存在感です。鋳物でできた姿はデジタル印刷機が主流で稼働する中、ひときわ重厚さと共にノスタルジーな雰囲気を感じさせます。一見古めかしいその姿からは、長い時間を経て磨かれた技術と誇りを感じます。
次に耳に飛び込んでくるのが、活版印刷機が動くときの音。ガッシャン、ガッシャンと一定のリズムで響くその音は、昭和の香りが漂ってきます。ともすれば、うるさいと感じるかもしれませんが、私にとっては心地よいリズムとなり、日々の仕事の中に安らぎをもたらしてくれます。
そして、活版印刷機の動く様子、文字が紙にインクを転写する度に生まれる深みと温かみに感動させられます。それはデジタル技術では再現できない、手間暇かけて作り出される一枚一枚が持つ独特の魅力があります。
皆さんにもこの活版印刷機の存在を知ってほしい。
そして、その音、その動きを感じてほしい。その一枚一枚がもつ深みを感じてほしい。
活版の印刷機を動かせる人も、活字を組版できる職人も、当社では、今日現在では皆75歳を超えました。いつまでこの音、雰囲気を楽しめるのか。少し寂しさもありますが、できる限りこの雰囲気を継続していきたい。そう思います。それが、今日のBLOGに込めた想いです。
ありがとうございました。